こんにちは!
つくば市在住の主婦、らくちゃんです。(プロフィールはこちら。)
毎朝、お散歩をして、季節の風景や花、虫、空の様子などを写真に撮っています。
あるとき、里芋の葉を覆うようにクモの巣が張ってある写真を、インスタやフェイスブックにアップしました。
この記事のアイキャッチの写真です。
これを見て、「この白いギザギザは何?」「この模様が面白い」と何人かからコメントをもらいました。
クモの巣の白いギザギザは、よく見かけるので、あまり気にしていませんでした。
獲物がかかって、食べたあとの残骸か、獲物を巻き取った糸の残り、ぐらいに思っていたんです。
でも、言われてみたら、なんだろう・・・?
気になり始めました。
すると、「ネットで調べたら、『白帯』っていうらしいよ」と教えてくれた友人がいました。
そこで、ちょっと調べてみました。
クモの巣の『白帯』とは
クモの巣に、時々白い模様が入っているのを見ることがあります。
こういうのです。


これ、「白帯」とか「隠れ帯」とかいうものだそうです。
もともと、クモが自分の姿を隠すためと考えられ、「隠れ帯」と呼ばれていましたが、その説に確証がないため、現在では「白帯」と呼ぶのが一般的なようです。
クモが白帯を作る目的
実は今でも、この白帯を作る目的は解明されていないそうで、クモの種類によって目的が違う可能性もあるとか。
- 自分の姿を隠すため
- 自分の姿を大きく見せて、鳥などの天敵を威嚇するため
- 食べ残しやゴミなどの残骸
- 網を安定させるため
- 出し過ぎた糸の調整
- 紫外線を反射させて獲物を誘うため
- 見た目の美しさ
などの目的が考えられるそうです。
「見た目の美しさ」って・・・
クモもオシャレな巣を作ろうと工夫して、飾りをつけているってことでしょうか?
確かに、結構繊細に美しく作っている巣と、大雑把なヤツとあるんですよね。



京都女子大学教授でクモ博士の中田兼介氏によると、
この飾りを作る糸は、たて糸とも横糸とも性質が違っていて、昆虫が見ることのできる紫外線を中心に、光をよく反射します。一説によると、この目立つ飾りとクモのからだの色や模様があいまって、私たちほどには目のよくない昆虫からは、花のように見えるのだそうです。
「クモのイト」ミシマ社
花だと勘違いした虫が、網にかかるというわけですね。
また、食事の後の残骸や落ち葉を飾りつけるクモもいるそうです。
これらのゴミには菌がつき、発酵して匂いを放ちます。
これに誘われて、ハエなどが網に向かって飛んでくるのですって。
クモの白帯から生まれた児童文学
息子たちが小さかった頃に、読んであげた児童書に「シャーロットのおくりもの」(E.B.ホワイト:作 ガース・ウィリアムズ:絵 さくまゆみこ:訳 あすなろ書房)という本があります。
子ブタのウィルバーと、クモのシャーロットのお話。
クモが主要な登場人物だなんて、珍しいなぁ~と思って読んだ記憶があります。
この作品、作者のE.B.ホワイトが、クモの白帯を見て着想したのだそうです。
いろいろな動物たちが暮らす農場で、子ブタのウィルバーを救うために、クモのシャーロットが起こした奇跡の物語。
作者のE.B.ホワイトは、自分の農場の動物たちを細かく観察していただけでなく、クモの生態や巣を作る様子について書いたメモやスケッチを残しているそうです。
ファンタジーではありますが、確かなリアリティのうえに紡がれた物語なのですね。
まとめ
毎日、朝散歩をしています。
ほぼ同じコースを歩いています。
その中で目にするものは、別に珍しいものでもなく、ずっと暮らしてきた近所の田んぼ道で出会うもの。
今までなんとなく見過ごしてきたクモの巣の白いギザギザに、ふと疑問をもって調べてみたら・・・
新しい知識だけじゃなく、数年前に子供に読んだ文学にまでつながりました。

こういうことって、まだまだいっぱいあるのだろうな、と思います。
感じる心と好奇心と探求心。
それがあれば、今暮らしている日常の中にも、発見や感動はいっぱいあるのかもしれません。
今回、クモの巣の白帯について調べていて、そんなことを考えました。

日々のお散歩写真は、こちらに投稿しています。