なぜ「絵本で子育て」がいいのか?

rakchaang

絵本や読書には、語彙力や読解力が伸びるといった学習面の効果もありますが、それはあくまで“おまけ”のようなもの。

本当に大切なのは、物語を通して、子どもの心に「生きる力のタネ」がたくさんまかれていくことです。

やさしい声で、ぬくもりのある時間の中で、耳から物語が届く――

それは、子どもにとってかけがえのない「心の栄養」であり、「あなたは大切な存在だよ」というメッセージそのものです。

こうした体験の積み重ねが、自己肯定感を育て、人生を前向きに歩む土台になります。

私自身、子育て期には毎晩、息子たちと一緒に絵本を読んで眠るのが日課でした。

けれどある晩、私の心に余裕がなく、悪ふざけをしていた子どもたちに感情的に怒ってしまい、「今日は絵本なし!」と布団をかぶって寝てしまったことがありました。

子どもたちは泣きながら、そのまま眠りにつきました。

あの夜のことを今でも思い出すと、胸がキリキリと痛みます。

でも、そんな日々の中でも、絵本を読む時間があったからこそ、どれだけの夜を穏やかで優しい気持ちで終えられたかと思うと、やっぱり絵本の力ってすごいと、心から感じています。

そして今、育児における新たな課題として「スマホ育児」が深刻になっています。

忙しい毎日の中で、スマホに頼ってしまう気持ちは、私もよくわかります。

けれど、長時間スマホやタブレットに触れることで、乳幼児の言葉の発達や情緒の安定に悪影響が出ているという報告が、世界中で増えています。

例えば、アメリカの小児科学会は2歳未満の子どもにデジタルメディアを使わせないことを強く推奨していますし、フランスや韓国、中国などでは、子どものスマホ使用に法律で制限を設けています。

教育先進国として知られるフィンランドでも、ICT教育を急速に取り入れた結果、学力テストの成績が大幅に低下し、紙の教科書へと方針転換したという動きもあります。

こうした現実を前に、やっぱり私たちは立ち止まって考える必要があるのかもしれません。

「便利さ」の裏側で、子どもたちが本当に必要としているのは何か――

それは、何も特別なことではありません。

1日たった3分、1冊の絵本を一緒に読むだけでもいいのです。

短くてシンプルな絵本でも、子どもにとってはうれしいし、同じ絵本を何度も読んでも、そのたびに喜んでくれます。

親子で顔を見合わせて、声を通わせる、そんな「ほんの少しの時間」が、子どもの心にとってはかけがえのない宝物になります。

絵本を選ぶのに迷ったら、どうぞ私に相談してくださいね。

あなたとお子さんにぴったりの1冊を、一緒に探すお手伝いをします。

絵本で子育ては、誰にでもできる、小さくてやさしい一歩。

そしてその一歩は、家族の心をつなぐ、大きな力になります。

どうぞ、今日から、ほんの1冊から始めてみませんか。

それがきっと、あなたとお子さんにとって、かけがえのない時間になっていきます。

中山純子*らくちゃん*
中山純子*らくちゃん*
絵本セラピスト🄬
Profile
絵本セラピスト🄬 中山純子*らくちゃん* =絵本セラピスト🄬=絵本講師=原田メソッド認定講師=タイ語翻訳・タイ語レッスンコーチ= “らくちゃん(รักช้าง)”こと中山純子はアラフィフの主婦。 会社員の夫は現在タイに単身赴任中、中学生と小学生の息子と近所の小川から連れてきたクサガメと一緒に、茨城県つくば市に暮らしています。
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