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絵本との新たな関係
子供の頃から、本が大好きでした。
自分に子供ができてから、絵本だけは毎晩せっせと読んであげました。凝ったキャラ弁や、かわいい子供服を作ってあげることはありませんでしたが・・・

子供が生まれるまでは、特に絵本が好きというわけではありませんでした。
子供の頃好きだった作品の記憶はありますが、成長に従って児童書、小説、自分の仕事に必要なハウツーやビジネス書、趣味の本・・・と手に取る本は変化してきました。

ところが、自分の子供に絵本を読み聞かせるようになって、なんとも懐かしく、温かく、ときに面白く、または切なく、そして幸せな気持ちになることに気づきました。
幸い息子たちも本好きで、ママの読み聞かせは、寝る前の我が家の儀式として長年定着していました。
その習慣の延長で、長男が小学校に入学してから、学校で絵本の読み聞かせボランティアをするようになりました。読み聞かせる学年や季節に合わせて絵本を選び、子供たちの反応を見ながら、お気に入りの絵本を読み聞かせてあげるのは、本当に楽しい、至福の時間でした。

ある時、6年生の教室で、「おおきな木」(シェル・シルヴァスタイン作、村上春樹訳 あすなろ書房)という本を読みました。
読み終わって教室を出ようとすると、教室の後方で聞いていた担任の先生が近づいてきました。20代後半とみられる体育会系の男の先生の目は、涙でうるんでいました。
そして、「すごくよかったです。ぼく、この本買います!ありがとうございました」と。
ちょっと驚き、とても嬉しく思いました。
子供のためだけではない、絵本のあり方というものを考えるようになったのは、この時からかもしれません。

それから数年が経ちました。
さすがに長男が小学校を卒業する頃になると、寝室も分かれ、いつの間にか寝る前の儀式もなくなりました。
しかし、子供たちが聞いてくれなくなっても、絵本を読み続けている自分に気がつきました。

ある時、ネットサーフィンをしていたら、「大人に絵本ひろめ隊®」という活動があることを知りました。
これは、「絵本セラピスト協会」という団体が主催するもので、身近な人に絵本を読んであげたり、読み合いをしたりすることで、絵本の輪を広げていこうという活動です。
絵本の世界や物語を共有した人たちが、共感や感じ方の違いを受容し、仲良くなっていく。絵本を介して生まれた優しい気持ちが、波紋のように広がり、ささやかながら世界平和につながってもらいたい。そんな思いがあるとのこと。
「これ、やってみたい!」
直感的にひらめきました。
早速、2019年4月に開催された大人に絵本ひろめ隊入門講座に申し込み、絵本出版の現状や絵本を読み聞かせる基本技術の講義を聞き、読み合い体験などのグループワークを経て、めでたく隊員となりました。

隊員の仕事、活動は具体的には決まっていません。
自分なりに、身近なところから絵本を紹介したり、読んであげたりするところから始めればよさそうです。
私も、ご縁があって目の前にいる人に、
絵本を通じて勇気、元気、感動や癒しを感じてもらったり、ほろり、クスリ、ほっこりの時間を共有したりできたら、
という思いで活動していきます。
