こんにちは!
大人に絵本を読んでいる、絵本セラピスト🄬らくちゃんです。(プロフィールはこちら)
毎月、Zoomで絵本5~6冊を使った、大人向けのワークショップ「絵本セラピー」を開催しています。
2021年5月は、28日と30日に開催しました。
2021年5月のプログラム
本来なら、色とりどりの花が咲き、気候も暖かく、心はずむ季節です。
しかし、今年は一部の都府県では緊急事態宣言下でのゴールデンウィーク。
緊急事態宣言が発令されていない地域でも、いまだ安心して旅行やレジャーを楽しめる状況にありません。
お出かけびよりに心が浮き立つものの、我慢を強いられてイライラ、モヤモヤもあるかもしれません。
先の見えない状況に、鬱々としている人もいるでしょう。
のんびりステイホームで好きなことを楽しみ、心穏やかに過ごすこともできました。
さて、同じ日を生きていても、人の心、気持ちは千差万別。

そこで、5月のテーマは、「見えない気持ちを見つめてみると」。
目に見えない「気持ち」「感情」に目を向けてみました。
自分の気持ちを感じ、味わい、認めてあげる。
そして、自分はどんな気持ちを感じたいのか、考える。
そんな視点で選んだ5冊の絵本を読みました。
1冊目は、「カラーモンスター きもちはなにいろ?」(アナ・レナス:作 おおとも たけし:訳 永岡書店)
カラーモンスターは、自分の複雑な気持ちがわからず、いろがぐちゃぐちゃになっています。
「うれしい」「かなしい」「いかり」「ふあんでこわい」・・・
気持ちをそれぞれの入れ物に入れて、わけていきます。
参加者の皆さんには、日々の中で感じたい気持ちを教えていただきました。
この絵本、今回はオンラインだったので「オリジナル版」を読みましたが、ページをめくるとしかけが立ち上がってくるポップアップ絵本もあります。
こちらも、とても手の込んだ素敵なしかけですので、機会があったらぜひお手に取ってみてもらいたいです。
2冊目は、カラーモンスターが最後に「あれ?なんだっけ この気持ち?」とピンクになっていたところから連想して、
「いとしのロベルタ」(佐々木マキ 絵本館)
表紙の紳士が、「わたしのロベルタが いなくなってしまった」と言って、あちこち探し回っています。
「わたしのなにがいけなかったのか」と自分をせめたり
「もっているものは なんでもあげよう」とすべてをなげだしたり
「きみはデリケイトだから・・・」と心配したり
「かんがえてごらん きみのしうちを」とうらんで責めたり
ちょっと不思議な世界を必死で探し回る紳士。
はたしてロベルタって?
ロベルタは見つかるのでしょうか?
参加者の皆さんには、自由に感想や感じたこと、思い浮かんだことを分かち合っていただきました。
3冊目の気持ちは、「おこる」(中川ひろたか:作 長谷川義史:絵 金の星社)
毎日、なにかしらおこられている「ぼく」
こうなったら、おこられないところへ行く!
でも、それはそれで寂しすぎる・・・
ぼくだって、おこるときはおこる!
ほんとうは、なるべくおこらない人になりたいんだけどなぁ・・・
ということで、「どんな時に怒りますか?」「怒りを感じるのは、どんなこと?」というテーマでお話してもらいました。
4冊目。今度は「悲しみ」です。
「悲しみのゴリラ」(ジャッキー・アズーア・クレイマー:文 シンディ・ダービー:絵 落合恵子:訳 クレヨンハウス)
ママを亡くした男の子。
ゴリラがそっと寄り添います。
「ママはどこにいったの?」
「どうして、ママはしんだの?」
「ママは、もう かえってこないんだよね?」
「いつになったら かなしくなくなるの?」
男の子の問いかけに、ゴリラはひとつずつ答えていきます。
「みなさんが悲しかった時やつらかった時、寄り添ってくれたり、支えてくれた人、物はありますか?」
という問いかけに、いろんな答えや思い出を聞かせていただきました。
そして最後の一冊は、これ。
「かぜのうた」(フィリップ・ジョルダーノ:絵 さわべまちこ:文 ポリフォニープレス)
かぜそのものは目に見えないけど、かぜのふきようによって物を動かしたり、音をたてたりします。
「気持ち」もそれに似てるかも。
気持ちは目に見えないけど、気持ちが行動を起こさせ、その行動により成果が出たり、周りに影響を及ぼしたりします。
私はどんな風を吹かせたいかな・・・

参加者の声
悶々としている毎日ですが、自分の心の中を整理することができました。楽しいことを沢山考えようと。
人間だから色んな感情が湧いてきます。どんな感情にもいい悪いを付けず、どの感情ともうまく付き合っていければいいなと思いました。丁寧に扱うことによって、感情もまあるくまあるく姿を変えるのかなと思いました。らくちゃんの読み方がうっとりきました。ありがとうございました。
参加者同士の感想シェアで、個々の環境や感情も垣間見えたり 奥が深く興味深かったです。 一人で読んでいたら、ここまで絵本の内容について思いを巡らすことはなかったと思います。
絵本を聞いてらくちゃんのお題について考えた時に、自分が何を大切にしているか、どんな考え方をしているか、思考のクセなど、自分が持っているモノが出てくるのだと感じました。
絵本セラピーを受けることは自分への時間、自分を知る時間になるんだなあと改めて思いました。慌ただしい日々の中で、時間と考えが次から次へと流れて行ってしまうのを、ちょっと立ち止まって、しっかりと自分自身を味わうことができる時間なんだなあ。
同じ絵本でも、人によって感じ方、視点も違ってすごく興味深く楽しかったです。 楽しい時間をありがとうございました!
ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。

私は、テーマを決めて、絵本を選んできて読んだだけ。
絵本は一般的に販売されている、誰でも買えるものばかりです。
(出版社や著作権者から、使用の許可はいただいています。)
皆さん、同じ絵本、同じプログラムから、それぞれご自分に必要なメッセージを受け取られたのですね。
そうやって、少しでも目の前の方に、何か温かなもの、力になるものを伝えられたら。
そう思って、これからも「絵本タイム」を続けていきたいと思っています。
