絵本

あらしのよるの贈り物

あらしのよるに」という絵本があります。(きむら ゆういち:著、あべ弘士:絵、講談社)

25年前に刊行されたロングセラーの名作で、アニメにもなっていますね。

ある嵐の夜、ヤギと狼が山小屋に避難していました。

真っ暗で鼻もきかなくなっていた中、お互いがヤギ、狼であることに気付かず、会話をかわすうちに友情が芽生えます。

翌日、「あらしのよるに」を合言葉に再開した二人は、相手がヤギであり狼であることを知ってしまいます。

襲う側、襲われる側という障壁を乗り越え、無二の親友となっていく物語です。

 

嵐は怖ろしいし、時に甚大な被害をもたらしたりして、ネガティブなイメージですが、こんな素敵なエピソードを生むこともあるのですね。

 

昨夜未明から今日の午前中にかけて、台風15号が関東地方を通過しました。

私が住むつくば市でも、暴風、豪雨、土砂災害の警報が発令され、暴風雨のすさまじい音や家のきしみ、揺れなどでたびたび眠りが妨げられました。

浅い眠りにうとうとしていると、次男がしゃくりあげながら子供部屋から下りてきました。

「風の音が怖くて、寝られない」と。

私の布団に招き入れ、頭をよしよししてあげて、手をにぎって一緒に寝ました。

すぐには寝付けなかったようですが、私とくっついていることで安心し、そのうち寝息をたて始めました。

 

今は、子供部屋で一人でベッドに寝ていますが、私にとっては体温や匂いを感じながら一緒に寝ていたのは、つい最近のことのような気がします。

夜泣きやおねしょに悩まされた時期もありますが、それでも子供の柔らかな頬に触れながら眠るのは、至福の時間でした。

でも、子供の成長は止められませんし、成長してくれないと困ります。

一緒に寝ていた時期から、布団を分け、寝室を分け、少しずつ離れてきました。

いまや、外で手をつないで歩くこともなくなりました。

それが、昨日の嵐のおかげで、ほんの数時間だけですが、次男の手を握り、一緒に寝ることができました。

たぶん、もうこれが最後だなと思いながら、小さい頃を思い出し、幸せなひと時を過ごしました。

あらしのよるの、ちょっと素敵な贈り物。

 

ちなみに、朝になり、兄と朝食を食べながら、「ゆうべ、風がめっちゃうるさくて、全然寝られなかった!(怒)」と。

ふふふ、泣きながら起きてきたことは、お兄ちゃんにはナイショにしておいてあげよう。(ブログに書いちゃったけど)

 

アイキャッチ画像は、台風一過の今日の夕焼け。実物は本当にきれいでした~。