11月13日、絵本セラピスト協会主催で絵本セラピストを対象とした絵本力フォロー講座が開かれました。
絵本作家を囲む会ということで、今回の講師は大友剛さん。
「ねこのピート」シリーズや、「えがないえほん」、「カラーモンスター」などの絵本を翻訳されました。
しかし、翻訳家というよりも、マジシャンであり、ミュージシャンでもあり、幅広く活躍される多彩な才能を持つ方です。

この日も、観客600人のコンサートを終えた後、絵本セラピスト協会のセミナールームに駆けつけてくださり、30名を超える絵本セラピストの前で、まずはマジックを披露。
軽快なトークと見事なマジックで、ガッツリ絵本セラピストたちのハートをわしづかみ。
あっという間に「大友ワールド」になりました。

その後、ご自身が翻訳された絵本の中から5冊を読み聞かせ、各地での読み聞かせの様子、子どもの反応なども紹介。
また、翻訳の苦労話なども聞かせてくださいました。
驚いたのは、翻訳したものをすぐに絵本として印刷せずに、各地の幼稚園や保育園で子どもたちに読んでみて、反応をみていたということです。
翻訳では、ダジャレやユーモアの言葉、文化や習慣の違いから直訳してもピンとこない言葉などで悩むことがあります。
そんな時は、編集者と相談しながら思いきった意訳に踏みきることもあります。
大友さんは、そこで候補となった訳語で子供たちの前で読んでみて、その反応で子どもの心に届く言葉を採用しているというのです。
なんという現場主義!
たとえば、「ねこのピート」で繰り返し出てくる「かなりさいこう!」という言葉。
日本語的には正しくありません。
乱れた日本語を、出版物として世に出していいのかという悩み、葛藤があったと言います。
それでも、いろんな同意語を子どもの前で試してみたけど、子どものうけ方が全然違ったらしいのです。
出版社、編集者によっても是非は分かれるところだと思います。
しかし、各者の勇気ある決断により、「ねこのピート」の「かなりさいこう!」は世に出ました。
なんだか、素敵な話ですね。
最後に、開場からリクエストを聞いて、即興でピアノ演奏もしてくださいました。
なんという才能!
なんというサービス精神!
講演の後にサイン会もあったようです。
残念ながら私は急いで帰らなければならず、サインはいただけませんでしたが、本はしっかり購入しました。

大友さんの子どもへの大きな愛と、人を喜ばせることに幸せを感じるお人柄にすっかり惚れ込み、大ファンになってしまいました。
これからの私の絵本セラピーでは、ねこのピートが大活躍してくれそうです。

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