こんにちは!
つくば市在住の、絵本セラピスト🄬らくちゃんです。
10月11日、なじみの絵本専門店「えほんや なずな」で「えほんの井戸端」が開催されました。
「えほんや なずな」と「えほんの井戸端」
「えほんや なずな」は、つくば市内に小さなお店をかまえる絵本屋さん。

絵本講師の藤田さんが、絵本の深い知識と愛情で、厳選した絵本が揃っています。
絵本を探しに立ち寄ると、即興で絵本の読み聞かせが始まったり、絶妙なセンスでおススメ絵本を紹介してくれたり。
いつも素敵な時間を、過ごさせてもらっています。

そこで、毎月開催される「えほんの井戸端」とは?
テーマに合わせて、絵本を持ち寄り、絵本を紹介しながらあれこれおしゃべりする会。
ときに絵本談義から脱線して、思わぬ話題で大いに盛り上がることもあり、それもまた楽しいものです。
以前は、毎月一回開催だったのですが、コロナの感染拡大で今年3月からお休みしていました。
9月から復活したものの、定員を以前の半分の5人にして、月2回、茶菓もなし、感染防止に配慮したスタイルになりました。
9月の「えほんの井戸端」は、こちら。↓

10月のテーマは、「収穫・実り」
秋まっさかりの10月。
収穫、実りの季節です。
というわけで、今月のテーマは「収穫・実り」。
いろんな実りの絵本が集まりました。
毎回、知らなかった素敵な絵本に出会えるのが、楽しみです。
いつも、店主の藤田さんがまず絵本を読んでくれます。
今月紹介してくれたのは、土橋とし子さんの「かぼちゃばたけ」。

印象的な土橋とし子さんの絵で、小さなかぼちゃの種から、大きなかぼちゃに育っていく様子が描かれています。
実は、これ、よく幼稚園や保育園で定期購読される、福音館書店の「こどものとも 年少版」がハードカバーになったものでした。

さらに、福音館書店の定期購読のムック絵本「ちいさなかがくのとも」から、「キャベツめキャベツ」もご紹介。
この本の文章は、なずな店主の藤田さんのご主人が書かれていて、絵は土橋とし子さんです。
表紙の子どもたちが、キャベツとめキャベツを育て、その違いを知っていく様子が細かく描かれています。
なんと、これ、実際に土橋さんが知り合いの農家さんに頼んで、畑で両方のキャベツを植え、成長を観察して、3年もかけて仕上げた作品だそうなのです!
なんという、妥協のない仕事でしょう。
福音館書店の「ちいさなかがくのとも」といえば、うちの息子たちも幼稚園で定期購読していました。
当時、本体価格390円の、薄いムック絵本です。

2007年に発行された「キャベツめキャベツ」も、その後ハードカバー化されることはなく、現在では入手困難。
3年もかけて、ちみつに作り上げた作品なのに・・・
効率とか、かけた時間や手間ひまに見合うかとか、そんなことは度外視して、一作一作を、真剣に取り組んでいるのですね。
以前、絵本画家の赤羽末吉さんが、「つるにょうぼう」を描き上げるのに、7年の歳月をかけたという話を聞いたことがあります。
「子どもが読むものだから、本物を」と、その土地の民俗、風俗を詳細に調査し、紙も吟味して選び抜き、妥協を許さず描き上げたのだとか。
絵本作りにたずさわる人たちの、気概と情熱に、感動せずにはいられません。
私が持っていった「収穫・実り」の絵本
私が紹介したのは、2冊。
「どんぐりのき」(亀岡亜希子:作 PHP研究所)
「やさいのかたち」(真木文絵:文 石倉ヒロユキ:写真 福音館書店)

どちらも、過去に絵本セラピーで読んだことのある作品です。
「実り」は、けっして植物だけのものではないと感じます。
人間的な成長や、成果、ひとりひとりが違うこと、そこが味わいがあること、などを野菜や果実に投影して見てしまう。
「大人に絵本」ならではの、味わい方ができたことを思い出します。
秋のひとときを、豊かな収穫と実りの絵本に囲まれて、私にとってもまさに「実り多き」時間となりました。