映画「天気の子」を観たいと思っていました。
ちょうど夏休みに入ると同時に公開だったので、息子たちに「一緒に行こう!」と言ったら・・・
「オレ、友達と行きたいんだよね〜」と。😢
ふられてしまったので、潔く夏休みは子供同士で行かせ、夏休みが終わってからレディースデイを狙って、1人でゆっくり行ってきました。
さすがに公開から2ヶ月近く経った平日の朝一番。すいてました。😅
貸し切り状態で、ゆっくり作品世界に没頭できそう。
雨が降りやまないある夏の、東京でのできごと。
昨今の異常気象。毎年のように起こる大雨による災害。
先日の台風15号が襲い、まだ停電や断水が復旧しない地域もあります。
そんな現実世界の状況も、物語に臨場感を与えます。
東京の廃ビルの屋上にある祠。そこの鳥居をくぐった拍子に異世界と通じ、雨の日に晴れ間を呼ぶ力を得てしまった少女、陽菜。
彼女は親をなくし、弟と二人、子供だけで東京の片隅でギリギリの生活をしています。
そんな彼女に出会ってしまったのが、離島から家出してきた少年、帆高。
二人は、陽菜の特殊な能力を使って、「晴れ女」として仕事を始め、依頼に応じて次々と雨を晴れに変えていきます。
実は、この力を使えば使うほど、陽菜の体は透明になり、最後は天に召される「人柱」だというのです。
彼女が人柱になれば、雨は止み、天気は正常を取り戻す。
それを察した陽菜は、運命を受け入れ、8月だというのに雪が降る狂った天気の夜、姿を消します。
しかし、帆高はそれを受け入れられず、自分も廃ビルの屋上の鳥居をくぐって陽菜を取り戻しに行きます。
結局、陽菜は地上に戻り、雨はそれからずっと降り続き、東京は水没していきます。
印象的だったのは、映像の美しさです。
雨が、雲間から差し込む日の光が、魚のような形で天を泳ぐ雨粒が、なんとも美しいのです。
そして、東京の街並みのリアルなこと!
トイストーリー4を観た時にも思いましたが、背景や街並みがとても精緻でリアルなんですよね。
最近のアニメーションの技術って、すごいですね。
しかも、今回の舞台は東京。
知っている場所だけに、新宿駅前、駅ビルのルミネ、猥雑で危ない感じの繁華街の路地裏・・・すごい既視感があります。
物語はまぎれもなくファンタジーですが、背景の圧倒的なリアルさが臨場感を生み、作品に深みを与えているような気がします。
また、主人公の取った選択が、今までの予定調和でなかったところが意外で、考えさせられました。
きっと今までのヒロインだったら、世のため人のための自己犠牲が美徳だったと思います。
でも、今回、「ずっと雨でもいいから、きみをはなしたくない」と言って連れ戻してしまいました。
お姫様を悪の世界から救い出すのではなく、「ぼくがきみと生きていきたいから」全力で連れ戻す。
ある意味自己中かもしれないけど、それはそれでいいのではないかと思います。
警察に捕まり、保護観察処分となった帆高は、離島の家に帰され、3年後に再び上京し、陽菜と再会します。
その間、東京に雨は振り続け、かつての街は水没していますが、まるで水上都市のようになって人々の日常は新たな形で営まれています。
雨しかないならそれなりに、みんなで助け合い、工夫して生きていくしかない。
誰かを人柱にして、その犠牲のうえにある平穏や平和、便利、快適を、知らないふりして享受しようというのは違うよね、と思います。
もちろん、異常気象や環境破壊、人としてできることはしていかないといけないですけどね。
それにしても、雨ばかりの世界、現実的に考えるとやっぱり気が滅入りますよね。
「きみと一緒にいられれば、毎日雨でもいい」という気持ちが、死ぬまで続くのはちょっとあり得ないってことも知ってしまいましたしね。年の功で。
そんなことを思いつつの日曜日。
次男の野球の大会は快晴でした、
やっぱり、青空は気持ちがいいです。😊
