絵本

ピクトグラム入り絵本なるものがあるそうです

絵本の持つ可能性に、目が離せません。

朝日小学生新聞に、こんな記事がありました。

「広がるピクトグラム 絵本にも」

ピクトグラムとは、人の動きや場所の情報、伝えたいことなどを、シンプルな絵や記号で表したものです。

たとえば、非常口やトイレなどのマークは、誰でもすぐ思い浮かべることができるでしょう。

このピクトグラムを、物語の理解を助けるために使っている絵本があるというのです。

 

「いっぽんのせんとマヌエル」とその続編「いっぽんのせんとマヌエル ピクニックのひ」です。

(どちらも、マリア・ホセ・フェラーダ:作 パト・メナ:絵 星野由美:訳 偕成社)

 

この絵本は、著者が、線が大好きな自閉症の男の子マヌエルくんに出会ったことで生まれたそうです。

マヌエルくんは、何かを見る時、初めに線を探すそうですが、この作品は、線をたどることで、迷わず物語を読み進められるしくみになっています。

この作品、原作は南アメリカのチリの絵本です。

最初の「いっぽんのせんとマヌエル」では、チリの出版社のホームページでピクトグラム入りで見ることができたそうです。

そこで、日本版を作る時に、「本の中にもピクトグラムを入れよう」となったとのこと。

 

ピクトグラムがあることで、物語の理解がスムーズになり、絵本を楽しめる人が増える。

そんなこと、思いつきもしませんでしたが、それがわかったのなら、もっとそんな作品が増えるといいなと思います。

 

私は、自閉症や発達障害について詳しいわけではありませんが、文字の捉え方が多くの子と違う子がいること、数字の概念がうまくつかめない子、人より繊細で極度に感じやすい子、音が聞こえすぎてしまう子、特定のものへのこだわりが強い子などがいるということを聞いたことがあります。

たとえば目が見えないとか、手や足が動かないなどの、見てわかる障害は理解や手助けを受けやすいですが、上記のような特徴を持っている人は、周囲の人に気づいてもらえずに、生きにくさを感じていたり、時にいじめや差別や度重なる叱責を受けてしまうこともあります。

そういうことが重なって、自己肯定感をなくしてやけになったり、過剰なストレスを感じてうつを発症したり、非行や犯罪に走ったりしてしまうことも少なくないそうです。

昨年、そういうことをテーマに取り上げた本に立て続けに出会い、私の中でも問題意識が芽生えました。

このようなピクトグラム入り絵本があること、つまり私たちが普通に暮らす生活の中に、ちょっと違う特徴を持った人に寄りそうものが当たり前にあることで、みんなの意識の中に多様性を受け入れる土台ができてくるような気がします。

それに、このピクトグラムって、よくよく見ると結構かわいく見えてきちゃったりします。

実はうちの次男もこの手のデザインが大好き。

去年のお誕生日のプレゼントに熱望したのが「非常口Tシャツ」でした。

これ、去年の夏はすごいヘビロテ。ほぼ1日おきに着てました。(笑)

 

ただたんに、ピクト・アートとして楽しんでもいいのかもしれませんね。

 

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