ブックレビュー

【おすすめ本】「新・絵本はこころの処方箋」絵本セラピーってなんだろう?

こんにちは!

大人に絵本を読んでいる、絵本セラピスト🄬らくちゃんです。(プロフィールはこちら

絵本セラピーの師匠、たっちゃんこと岡田達信さんの新刊「新・絵本はこころの処方箋」が届きましたので、ご紹介します。

2019年 絵本セラピスト協会セミナールームで たっちゃんと

この処方箋の3つの効能

  1. 著者たっちゃんの人生ドラマが面白い
  2. 「大人に絵本」の魅力がわかる
  3. 自分でも「絵本セラピー」ができるプログラム例と絵本リスト付

①著者たっちゃんの人生ドラマが面白い

もともと1級建築士で、住宅メーカーに勤めていたたっちゃん。

わが子に絵本を読み聞かせているうちに、絵本の魅力や不思議にはまっていきます。

その後様々な絵本体験を重ねて、大人に絵本を読むと、子供に読むのとは違った面白いことが起こることに気が付きます。

そこから人と人を繋ぐワークショップ「絵本セラピー」が誕生するまでの経緯や気づきがつづられています。

実はこの本、タイトルに「新」とあるように、もともとの「絵本はこころの処方箋」がありました。

2011年3月東日本大震災の日に初版が発行されました。

あれから10年。

奇しくも、日本人にとって忘れられない出来事の日に生まれ、10年の時を経て、東京などではまだコロナ感染拡大の緊急事態が続く中、新しく生まれ変わりました。

震災、そしてコロナ禍。

この困難な時代に、絵本こそが難局を乗り越え、時代を切り拓く鍵だと信じる男の物語です。

私が絵本セラピーを学び始めたころ、もちろん「絵本はこころの処方箋」は読みました。

このたび、この10年の経験を踏まえて書き換えられた改訂版を読んで、あらためて感じることがありました。

それは、「岡田達信という男のドラマ」に感動したということ。

以前は、絵本が大人に及ぼす作用について、「興味深い!」「面白い!」と思い、絵本って深いな~と思っただけでした。

今回は、住宅メーカーに勤める建築士の男が、絵本と出会い、絵本の中に人生の深い問いを見つけ、自分の生き方を変えていく様に、心を動かされました。

このエピソードは、初めて聞いたわけではないのですが・・・

私自身、自分でも絵本を読み、他の人にも絵本を読み続けてきて、自分の人生に気づきや光を見つけてきたからかな、と思います。

②「大人に絵本」の魅力がわかる

この本は、あくまで「大人が」絵本を読むと、または「大人に」絵本を読むと、何が起こるかが書いてあります。

絵本は子供の本じゃないの?

なぜ、「大人に絵本」がいいの?

その答えが、わかります。

絵本は、子供にわかるシンプルな文章と絵からできています。

登場人物のこと、バックグラウンドや状況、あらゆることが細部まで説明されているわけではありません。

描かれていない余白の部分、行間に、大人は自分の経験、価値観、思い込み、こだわりなどを埋めて、絵本の物語を受け取ります。

一人一人、生きてきた人生は違うのですから、絵本の解釈、感じること、印象に残ることは違ったりします。

そこが「大人に絵本」の面白いところ。

たっちゃんは、絵本セラピーを始める前、企業研修や人材教育でも絵本を使っていました。

その経験からも、興味深い「大人に絵本」のエピソード、バラエティ豊かな感じ方の実例が語られていて、人間って面白いなぁと思わされます。

そして、同じ絵本を共有した同士で、感じたことを分かち合う、違いを知る面白さも魅力になります。

人と違ってもいい、正解のない、対立のない自己開示。

それは、普段いろいろと気を使って生きている、大人な私たちにとって、大きな安心や癒しにもなりえます。

絵本セラピスト協会 セミナールームの絵本棚

③自分でも「絵本セラピー」ができるプログラム例と絵本リスト付

「大人に絵本」の魅力がわかったら、すぐに絵本セラピーを試してみましょう!

本書では、誌上ワークショップができるように、いくつかの絵本、内容紹介、ガイド、絵本セラピストからの一言が紹介されています。

絵本セラピストになるには、養成講座を受け、認定試験をパスしなければいけませんが、おうちにある絵本や図書館から借りてきた絵本を、目の前の人に読んであげるのは自由です。

この本で紹介されている絵本は、どれも普通に書店や図書館にあるものばかり。

家族や友達に読んでみて、本書のガイドを参考に、感じたことを分かち合ったり、「問いかけ」から答えの違いを楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。

巻末には、たっちゃんが選ぶ「大人の読み薬」50冊のブックリストが付いていますので、こちらも参考になります。

著者たっちゃんと 基礎絵本セラピスト認定書をいただきました

Shall we EHON?

ところで、この本の帯に書いてある言葉、「Shall we EHON?」。

これ、どういうことだと思いますか?

たっちゃんの好きな映画は、「Shall we ダンス?」だそうです。

1996年(平成8年)1月27日に公開された周防正行監督の日本映画です。

主演は役所広司と草刈民代。

日本アカデミー賞を独占、世界19か国で公開された話題作でした。

平凡な会社員の主人公。

妻と娘、庭付き一戸建てを手に入れて、なんの不満もないはずが、どこか満たされないものを感じる日々。

それが、ひょんなことから社交ダンスに出会い、個性的な仲間との交流や、大会出場へのチャレンジなどをとおして、人生が俄然ワクワクに彩られ、豊かなものになっていきます。

このストーリーに、たっちゃんは自分の人生を重ねます。

別に絵本と出会わなくても、建築士として仕事をして、不足のない人生は送れていたかもしれない・・・

でも、絵本と出会い、絵本セラピーの活動を始めたことで、確実に世界は広がり、彩り豊かになったと、たっちゃんは言います。

だから、「Shall we EHON?」。

私は、息子たちが私の読み聞かせを聞いてくれなくなり、子供のものと思っていた絵本は、一度卒業しました。

その時、夫は単身赴任。

息子はガチのスポーツチームに入り、超多忙なサポート生活になりました。

家庭の事情で仕事は辞め、忙しいのにどこか手ごたえのない、まるで洗濯機の中でぐるぐる回されているような毎日。

そんな時、絵本セラピーで絵本に出会いなおしました。

大人として、大人のために絵本を読むようになり、確実に見える世界の色彩や奥行きが深く、豊かになったと感じています。

「Shall we EHON?」のコンセプトが世界中に広がれば、世の中はきっと今より平和で、やさしく、明るいものになるでしょう。

だから、私も「Shall we EHON?」。

目の前の人に絵本を読み、絵本で笑顔を広げていきたいのです。

あなたも一緒に、「Shall we EHON?」、いかがですか?

絵本セラピーや絵本セラピストに興味のある方は、絵本セラピスト協会へ。

らくちゃんの過去の絵本セラピー開催レポは、「絵本セラピー」のカテゴリーからどうぞ。