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絵本『いしをつんだおとこ』が教えてくれた、仕事と生きがい

こんにちは!

大人に絵本を読んでいる、絵本セラピストらくちゃんです。(プロフィールはこちら

先月、オンラインで絵本セラピー「大人の心に効く らくちゃんの絵本タイム」を開催しました。

絵本セラピーってなに?

今回のプログラムの最後に読んだ一冊、『いしをつんだおとこ』が、とても印象的なお話で、大きな気づきがあったので、ご紹介したいと思います。

『いしをつんだおとこ』はこんなお話

今回のテーマは、「Life Work 人生と仕事の関係」。

4冊の絵本を読んでいき、参加者同士感じたことをわかち合ったり、簡単なワークをしたりしていきます。

そして最後の5冊目に、絵本セラピストからのメッセージを込めて、この絵本を読みました。

いしをつんだおとこ』(あきやまただし:作 ハッピーオウル社)

偉人でも 英雄でもない
ひとりの男が やりとげた
仕事とはーーー

まずしく、家もなくした男が、
冬の寒さをしのごうと 石をつみはじめます。 
男のひたむきな姿に、まちの人々も彼を応援し、
美しくできあがっていく塔を
「まちのほこり」と呼ぶようになっていきます。
そして、完成した塔を前に、
人生をまっとうしたと感じた男は、
息子と「仕事」や「生きがい」について
静かに話すのでした。

出版社ホームページ作品紹介より引用

はじめは自分を満たすため。
次第に、人に求められ、応援されるようになり、

途中、トラブルや挫折があります。
すると、勉強してよりよい仕事をするようになり、
そのうち後継者があらわれて・・・

仕事や、情熱をもった活動をしてきた大人は、自分の経験を投影し、深く感じるものがあるのではないでしょうか。

まだ人生、道半ばにいる今だからこそ、読みたいと思った絵本でした。

それぞれの積んできた石

今回の絵本セラピーに、主婦起業・オンライン起業の専門家山口朋子さん(MOMOさん)が参加してくださいました。

MOMOさんと言えば、起業塾「彩塾」を14年運営してきて、15,000人の起業をサポートしてきた方です。

多数のメディアにも取り上げられ、先月は4冊目の著書「オンライン起業の教科書」も出版されました。

華々しい実績を築いてきたMOMOさんですが、もともとは専業主婦でした。

インターネットを使ってお金を稼ごうと思った理由は、「娘にバレエやピアノを習わせてあげたいから」。

つまり自分を満たすことが目的だったそうです。

夢中になってインターネットスキルやアフィリエイトの知識を学び、稼げるようになっていきました。

すると、周りのママ友たちから「教えて!」と言われるようになり、今のライフワークにつながっていきます。

求められ、応援され、感謝され・・・

「娘の習い事の月謝を稼ぎたい」から、「ママたちの自己実現をサポートする!」という明確な使命へと育っていくさまは、まさに「いしをつんだおとこ」のようだと思いました。

私も、自分のことを振り返って考えてみました。

絵本セラピーに出会ったときは・・・

息子たちがママの読み聞かせを必要としなくなり、ちょっと寂しく感じていました。

長男が入っていたスポーツチームの活動に、心身共に疲弊していました。

夫の仕事の都合で、私は仕事を辞め、先行きが見えない状態でした。

そんな時に出会った絵本セラピー。

絵本を読んでもらって、安心して感じたことを語り合う場は、とても楽しく、癒され、すぐに夢中になりました。

それから絵本セラピスト協会の養成講座を受講し、絵本セラピストへ。

ただ楽しかったから。

絵本が好きだな~と思ったから。

絵本を読んだり、読んでもらったりすると、癒されたから。

その後、絵本セラピストになって、「さぁ、絵本セラピーを開催するぞ!」と張り切っていたら、コロナ禍になり、人が集まりにくくなりました。

そこで、試行錯誤しつつ、Zoomを使って絵本セラピーを開催。

失敗もしました。

ブレイクアウトルームを作ろうとして、Zoomを終了してしまったり。

電波が弱く、画面が固まったり、落ちてしまったことも。

参加者お一人だけの回もありました。

それでも、続けていたら、嬉しいこともありました。

私が読む絵本から、何か心の奥底に触れるものがあって、参加者の方が涙を流されたり。

「自分の活動の原点を思い出し、明日からまたがんばろうと思った」と感想をいただいたり。

「らくちゃんが絵本を読む声に癒される」と言っていただいたり。

「選書がいい」とほめられたり。

最初は私が「好きだから」で始めた絵本セラピー。

まだ「生きがい」と言えるかどうかわかりませんが、最初の頃とは違った位置づけになったことは確かです。

さて、私がこの世を去るとき、私にとって絵本セラピーは、どんな存在になっているでしょうね。

まとめ

『いしをつんだおとこ』は、たった32ページの、ものの5分ほどで読める絵本です。

それを読んだ大人の見える情景は人それぞれ。

今の仕事を始めた原点。

これまでの出来事や、気持ちの変化。

そしてこれからのこと・・・

12月になり、来年の計画や目標を立てる人も多いでしょう。

そんな時、物語をとおして自分の活動の原点に立ち返ってみたり、心の奮い立つ価値観やライフワークと思えるものは何なのか、問い直してみるのもいいかもしれません。